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セブン―イレブンの店舗に掲げられたセブン&アイ・ホールディングスの看板
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記者解説 経済部・井東礁、ニューヨーク支局・真海喬生

 日本のコンビニ最大手、セブン&アイ・ホールディングス(HD)をめぐり、M&Aへの対応が注目されている。

 カナダのコンビニ大手「アリマンタシォン・クシュタール」は7月、買収を提案した。セブンの経営陣は事前に賛同しておらず、かつては「敵対的買収」などと呼ばれることもあったやり方だ。

 クシュタールはコンビニをカナダや欧州などで計1万6700店以上展開。2024年4月期の売上高は約692億ドル(約10兆円)にのぼるグローバル企業だ。

 一方のセブンは、「セブン―イレブン」を国内で2万1千店以上、世界で計8万4千店以上展開しており、日本を代表する流通企業として知られる。売上高は24年2月期で11兆4717億円で、店舗数や売り上げ規模ではセブンがクシュタールを上回る。

 一見すると「小が大をのみ込む」提案にもみえるが、企業の価値を示す主な指標である株価の時価総額は15日時点でセブンは約6兆4千億円、クシュタールは約8兆2千億円。クシュタールからは「買いやすい相手」に見えているのかもしれない。

 クシュタールが当初示した買収額は1株14.86ドル(総額約6兆円)だった。セブンは9月上旬、「著しく過小評価している」などと主張。買収されればセブンとクシュタールを合わせた米国事業の市場占有率が高まり、反トラスト法(独占禁止法)に違反する恐れもあるとしている。

 関係者によると、クシュタールは9月中旬に1株18.19ドルで買い取る新たな提案をしたという。9月時点のセブンの時価総額より2割ほど高い規模の再提案だ。実現すれば外資による日本企業の買収としては過去最大となりそうだ。

ポイント

 日本のコンビニ最大手をめぐる提案など国際的な企業合併・買収(M&A)が目立つ。国の指針の見直しもあって、同意なき買収提案でも十分な検討が必要となっている。各国の政府が事実上の「待った」をかけるケースもあり、透明性の確保が課題だ。

 クシュタールの創業者で会長…

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